笛のおっちゃんのブログ

落書き帳に近い面もありますが、半世紀にわたり一応我家のメシのタネになっている様々な笛の話、下手っぴなデジカメ写真などなどをランダムにアップしています。

はなれ瞽女おりん@京都

 京都市内、同志社・寒梅館内にあるハーディーホールで、「有馬稲子と五つの楽器による語り・ はなれ瞽女おりん」と云うタイトルの公演を見た。

画像 037-blog 寒梅館も、ホールも、最近建てられた施設のようで、全体にゆったりとしたスペースで、レストランなども、大学関係者だけでなく、外部の人も利用出来るようになっていて、とても学食とは思えないような、しゃれた感じだった。

 ホールのキャパは800人(最大で1000人)、音楽をやるホールとしては、あまり響きの良い方とは思えなかったが、それがかえって、楽器が鳴りすぎず、語りの言葉が聞き取りやすくなっていたのでは、と思った。

 各座席には、引き出して使えるタイプのテーブルが付いているあたり、さすが大学の施設、と云う感じがした。

 水上勉の原作を、和田薫によって有馬稲子の一人芝居と5人の奏者の為の作品に作られたもので、この主の作品としては、初演以来、かなりの数の公演を重ねてきているのだそうだ。

 この日の公演は、Web上でも、チケット完売とのアナウンスが出ていた。 客席を見渡すと、平均年齢はかなり高い感じがしたが、文字通りの満席の状態だった。

 作品のタイトルからも想像出来るとおり、はっきり云って明るい内容ではないし、さほど一般受けがする公演とは思えないのだが、有馬稲子さんの根強い人気、水上作品と、もちろん和田薫の音楽の魅力、それに数多くの公演の実績などがなせるワザなのだろう。

 楽器の編成も、バスマリンバの使用など、どちらかと云えば、中低音を重視した感じだったが、この水上作品を舞台で表現するには、うなずける選択なのだろうと思う。

 瞽女(ごぜ)の話なので、当然ながら三味線の弾き語りのシーンなども有って、たしか以前の公演では、有馬さんが三味線の特訓をされた、と云うような事を読んだ事がある。

 和田さん自身がプログラムの中で「あくまで心情、心の中の響きの表現を追求し、現実的な音の表現は演者に委ねることにした」と書いておられるとおり、このかたちでの公演では、邦楽的要素が強いにもかかわらず、和楽器に造詣の深い和田さんが、敢えて邦楽器を廃して、洋楽器のみで表現したのが、大きな特徴と云えるだろう。

 三味線を弾くところは、格好だけの、最近話題になった「カラ・ギター」ならぬ、云わば「カラ三味線」なのだが、実際に鳴っているのよりも、これのほうが、聞き手のイマジネーションを豊かにする点で、より効果が大きいように思えた。

 音楽は、鳴りっぱなし、と云う訳ではなくて、語りのアカペラ(?)の部分も多いのだが、だからこそ、要所々々に入ってくる音楽が、大きな効果を発揮しているのだと思われる。

 五つの楽器のそれぞれが、陰になり日向になり、時には渾然一体となって、最大限の効果を発揮しているように思えた。 少し前に下北の本多劇場で見た「ブンナ・・・」とも共通する点だが、音楽が、単なる劇伴にとどまらず、芝居と対等にモノを云っているのを感じた。

 若干は、不協和音と云うか、現代音楽的な響きがする部分も有ったが、全体はドリア調的な和田ブシとも云えるメロディーがメインに流れていて、会場の多数を占めていた、おじさん、おばさん達にも、違和感なく受け入れられる音楽だったはずだ。

キャストとスタッフは

ピアノ・指揮 和田薫

バイオリン 山中光

チェロ 寺井つねひろ

クラリネット 荒井伸一

マリンバ 小竹満里

作 水上勉

構成・演出 鈴木完一郎

音楽 和田薫

プロデュース 水谷内助義

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  1. 2006/12/21(木) 20:00:00|
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観劇

久々の芝居見物だった。

 自分が音楽の録音に参加した、と云う事で御招待いただいたので、都内下北沢の本多劇場に行った。

bunna-1.jpg 本多劇場に掛かる芝居やミュージカルの音楽は、何度かやった事があるし、小田急線の車窓からもよく見えるので、名前はよく知っていたのだが、実際に入ったのは初めてだった。

 この日は青年座の公演で、演目は「ブンナよ、木から下りてこい」。

 水上勉さんの作品をご自身の手で脚本化されたもののようで、既に1000回を優に超える公演回数を重ねているのだそうだ。

 パンフレットを見ると、以前の公演では、樋口康雄さん、林光さんが音楽を担当しておられたらしい、もちろんこれは見た事も聞いた事もないので、分からないが、どちらも今回の和田さんの音楽とは、全く違った雰囲気だったであろう事は、容易に想像出来る。

 そんな事で、全く、予備知識を持たずに劇場に入ったのだが、芝居はしっかり楽しむ事が出来た。

 会場には、子供からわたしのような年代の人まで、色んな世代の人たちが来ておられた、特に、高校生らしき若者が目立っていて、ちゃんと静かに観てくれるのかしら、などと余計な心配をしたりしていたのだが、全くの杞憂だった。 もしかすると、部活で演劇をやっているとか、将来、演劇を志している子達だったのかも知れない。

bunna-2.jpg 芝居は、最初の数分間は、様子が読めなくて、ちょっと入って行きづらいところも有ったが、役者さん達のセリフが聞き取りやすかった事もあって、大人から子供まで、それぞれに楽しめる作品に仕上がっていたと思った。

 肝心の音楽だが、それほど鳴りっぱなしと云うわけではなくて、劇伴部分はむしろ少ない方ではないか、とも思われた。 と云うよりも、劇伴的な、つまり付随的、BGM的な使い方ではなくて、和田薫さんの音楽が、要所々々でドラマの進行上、非常に大きな役割を担っていて、数秒の音楽だけで、重要なポイントを表現しているのが、よく分かった。 言い換えれば音楽がモノを語っていた、と云う事だろうか。

 会場には、和田さんをはじめ、録音に参加しておられた河井英里さん、エンジニアの山田さんご夫妻、なども来ておられて、それぞれご挨拶も出来て、ラッキーであった。

 あと、音楽を聴いていて、チャンイーモウ監督の「Lovers」のサウンドかな、と思った箇所が有ったが、考えてみると、全く同じミュージシャン、つまり田代さん、梯さんが参加しておられるので、そんな一瞬が有っても不思議は無かったわけだ。

 それから、ブンナの音楽録音の現場の状況などは、↓のURLにアクセスすると、詳しいレポートがありますので、よろしければどうぞ。 No.388が、それです。

http://wwwi.netwave.or.jp/~popo/studio14/listtop-studio14.htm

★ 画像は当日会場でもらったプログラムからのもので、もし不都合があれば、引っ込めますので、ご一報下さい。

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  1. 2006/10/21(土) 20:00:00|
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こんにゃく座

 五月某日、世田谷三軒茶屋のパブリックシアターに行く。  こんにゃく座のオペラ「イヌの仇討ち、あるいは吉良の決断」を見る為だ。  長津田から田園都市線に乗り、三軒茶屋で降りると、綺麗な地下道を通って直接劇場のあるキャロットタワーまで行ける様に成っていて、 実に便利だ。  ビルの中には、住民票を発行するなど、区役所の出張所みたいなカウンターが有ったりして、世田谷区の施設なのか、 でなくても、区と関係のあるビルの様だ。  パブリックシアター、と云う名前からも、公共施設らしい感じがうかがい知れる。

 劇場内部は、欧米のオペラ劇場を圧縮した様な感じで、一階席も傾斜が付けられているので、 何処に座っても、見にくい、と云う事は無い様だ。  一番後ろの席でも、そんなに遠い、と云う感じはしないだろう。

 いつもはそうでもないのかも知れないが、気が付いてみると、劇場に入っている間、電気的なサウンドを聞く事が一切無かった。  いわゆる一ベル、二ベルと云われるブザーも無くて、代わりに係員、と云うより赤穂浪士の扮装の役者さんが、 ロビーを拍子木を打ちながら「間もなく開演です」と告げながら回る、最後に客席の一番前に立って、 普通は影アナでやる「携帯電話の電源を・・・」と云うアナウンスを生でする。  そんなに大きな劇場ではないし、鍛えた喉だから、これで充分だ。  事務的なアナウンスよりは、役者さんが身近に感じられて、うまいやり方だと思われる。  別の出し物の時だったが、劇中の扮装のままの役者さんが、プログラムなどを持って客席を売り回っていたりもしていた。

 劇中も一切PAの使用は無かったが、その為に聞こえにくいとか、言葉が分かりにくい、と云う様な事はなかった。  ただし、音響はイマイチの感がしないでもない。  コンサートホールの様な反響板が無いから、無理も無いのだが、楽器の音がちょっと貧弱に聞こえる。  歌とのバランスを考えれば、このくらいでも良いのかも知れないが、強弱ではなくて、ちょっとデッドな響きかな、 と云う印象は有った。

 時は、赤穂浪士の打ち入りの日、舞台は終始、上野介達が潜んでいる、吉良邸の隠し部屋でのやり取りで進められる。  それでいて、アリアあり、重唱あり、レシタティーボありの、オペラなのである。

 赤穂浪士が討ち入った、吉良邸の穴倉に隠れて居る吉良のご隠居さんの側から、討ち入りに至る経緯を見つめた、 と云う設定のストーリー。  御隠居の側室、家来達、女中達、たまたま忍び込んでいた泥棒、等を通して、夫々言い分を語らせる、と云う設定で、 赤穂側の人物としては、時々登場する無名の浪士二人だけで、普通だと主人公である大石主税等、赤穂側の有名人(?)は、 一切出て来ない。
 脚本は井上ひさし、作曲、林光、演出は米倉斉加年、なんかこのスタッフを見ただけでも面白そうな感じがしてくるが、 期待通り、中々に楽しむ事が出来た。

 当日たまたま屋敷に忍び込んでいて発見され、途中から登場する、新助と云う泥棒が中々重要な役を演じて、 世間一般の風評を上野介達に伝えたり、助言を与えたりもするのだが、この新助と上野介達とのやり取りが、中々面白い。  面白いと云っても、今までみたこんにゃく座の出し物の中では、腹を抱えて大笑い、と云うのではなくて、知的な面白さ、と云うか、 比較的大人向け、と云う感じがする。

 殿中で抜刀しただけで、自分ばかりでなく、家族、家来、赤穂一国がどう云う事に成ってしまうか、と云う思慮も出来なかった、 と云う事は、かなりの欠陥人間であった、と云う事になるのだが、世間はどうして赤穂に味方するのだろう、 至極当然且つ常識的な対応をした筈の自分達が、どうしてこんな目に会わなければいけないのか、と云う様なやり取りが、 たまたま忍び込んでいた泥棒と上野介の間で交わされたりするのが、なんともおかしいのである。

 ちなみに、まさか洒落で選ばれたのではないとは思うが、上野介役の役者さんが大石と云う名前だったのが笑えた。

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  1. 2002/05/26(日) 20:00:00|
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