とあるコンサートで、世田谷区、三軒茶屋の近くにある昭和女子大の人見記念講堂と云うところに行った。
かなり以前になるが、ここの女子大には箏曲部のコンサートのお手伝いで数回来たことがあるのだが、このホールに入るのはこの日が初めてだった。その頃はまだ建っていなかったのかも知れない。
コンサートの中身はとりあえず置いておいて、ホールのロビーで興味深いモノを見付けた。

青銅製のようで、一見、銅鐸かな、と思ったのだが、半月型に切り取ったような下側の形が銅鐸とは違っている。 そうではなくて、説明を読むと「
編鐘」と云うもので、どうやら楽器らしい。
揚子江の中流域で出土したもののレプリカで、中国にあるこの大学の姉妹校から寄贈されたもの、との事だ。
本来の姿としては、中国だからペンタトニックだったか、或いはディアトニックだったのかも知れないが、このレプリカは、12平均率に調律されていて、音域は6オクターブにおよぶとの事。 6オクターブと成れば、70個以上になるわけだが、確かにそのくらいの数は有ったと思われる。
大きさは最大で横幅が60センチ前後、小さいものは10センチくらいだっただろうか。
かなり薄暗いところで、フラッシュ無しの手持ちで撮ったので、よく分かり難いかも知れないが、↑の写真が一番大きい部分で、こちらの写真の上のほうに並んでいるのが、最小のグループだ。

音色は未知数だが、6オクターブで12平均率となれば、これを使えばかなりの表現力があるはずで、作曲家だったら創作意欲をかき立てられるものが有るのではないだろうか。
もっとも、実際にこれを演奏するとなれば、大変な事になるかもしれない。
横幅が平均30センチとしても、並べれば20メーター、ピアノみたいに白鍵、黒鍵の配列にしても10メーター程度にはなるわけだから、数人の奏者で分担しなければいけないだろう。
音を聞いた事がないので、数千年前の中国の宮廷楽器の音色は想像するしかないが、得も言われぬ優雅な響きではないか、と思う。
いずれにしても「楽器」なのだから、こんな具合に展示しておくだけでは、如何にももったいない。
是非、響きを聞かせて欲しいものだ。
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- 2008/08/23(土) 20:00:00|
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午後に仕事があって、夜の某所での忘年会まで、随分空き時間が出来てしまった。 秋葉原をぶらついたりして暇つぶしに努めたが、それでもまだ暇があったので銀座の山野楽器に立ち寄った。
CD売り場を見て回ったあと、5階だかの管楽器売り場に行き、フルートの中古と云うか、ビンテージ物を見ていたら、 店員に話し掛けられた。 どんな楽器をお使いですか、と云うので、ヘインズの8600番、と行ったら、ちょっと態度が変わって、 しばらくなんやかやと話し込んでしまった。
で、珍しい楽器をお見せします、と云って出してきたのが、なんと
カーボンファイバー製のフルートである。 それも、楽器作りとは無縁な国と思われがちな感じの
フィンランド製との事。 そう云えば以前どこかで読むか話に聞いた様な気もするが、実際に手に取って見るのは初めてである。
この楽器、材料がカーボンである、と云う以外にも、実にユニークな点がいくつかある。 まず、孔を塞ぐカップに、タンポが無くて、固いプラスティック(多分)である。 その代わりに、トーンホールのエッジが、柔らかい材質に成っている(軟質プラスティック?)。 発想の転換だろう。
リングキー、と云うか、いわゆる穴明きなのだが、ただ単純にプラスティックのカップに孔を開けてあるだけの、簡単な構造である。 これもアイデアだが、左手の薬指のキーは、構造的にはストレートなのだが、穴の位置をずらしてあるので、 いわゆるオフセットの様な感じで、小さい手の人にも押さえ易い。 それと、これも左手だが、人差し指のキーが少し高くしてあって、これも大変有りがたい配慮だと思う。
あと、Gisクローズなのだが、いわゆる裏Gisの孔が無い。 どう成っているかと云うと、表Gis(?)のカップが、梃子の仕掛けで、キーを押したときに開く様に成っている。 これも発想の転換なのだが、この仕組みは、昔の楽器にも有ったのかも知れない、何処かで見た様な気がする。
もう一つユニークなのは、バネと云うものが一切ない。 なんと、磁石の反発力を利用しているとの事。 磁力は半永久だから、バネのトラブルや交換の手間が、一切無い、と云う事になる。
肝心の音だが、ちょっと薄っぺらな感じがするが、上から下まで、平均していて、ムラは無い。 吹きこんで、どう変化するのかは、興味深いところである。
それと、材料の関係で、非常に軽い。 持つのは楽なのだが、この軽さが音色にどう影響するのかは、 しばらく使い込まないと分からないだろう。 色はカーボンの地色なのかどうか、分からないが、濃いグレー、と云うか一見した感じでは黒く見える。
値段を聞いたのだが、忘れてしまった。 百何十万だったか、かなり高かったと思う。 もし普及して大量生産される様に成れば、かなりのコストダウンは可能かも知れない。 もし大幅にコストダウン出来るのであれば、さらに構造を単純化するなどして、初心者用の楽器としても、使えるかもしれない。
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- 2002/12/27(金) 20:00:00|
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京都にお住まいの、ふえふきねずみさん、こと、福谷さんにお願いしておいた、クリスタル・パンフルートが届いた。
想像していたよりは、若干小振りな感じだったが、音域からすれば、こんなものだろうと思われる。 手元に有るC菅のクリスタル・フルートに良く似た装飾が施されていて、中々素敵な楽器だ。
吹いてみた感じでは、全体にもうほんの少し太めの方が、鳴りが良いのではないか、と云う印象を受けた。 あと、菅の太さが2種類になっていて、下のGからDまでの5音と、Eから上とで分かれて居るが、 出来ればもう少し細かく分かれていれば良かったかも知れない。
管の配列が、ルーマニアの
ナイを同じ、つまり、奏者から見て左が高い音に成って居るのだが、私の場合これが逆になる。 つまり、手前で管を揃えてあるので、逆にすると、太さの変わり目に段差が出来てしまう事になる。
まあ、いつもの逆にかまえても、そのつもりで吹けば、なんとか成りそうだ。 音色は竹の楽器とは一味違った、 透明感の有る音で、キーと音域が合えば、仕事でも、使えるのではないかと思われる。
カメラは Epson CP-800 を使用
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- 2002/06/27(木) 20:00:00|
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町田の石橋楽器に、クリスタル・フルートが置かれている、との情報を得た。 電話で問い合わせて見ると、数本の在庫が有る、と云うので、昨日(四月26日)、丁度仕事が休みに成ったので、出掛ける。
東急ハンズ町田店の8階に在る店舗で、楽器はすぐ、見つかった。 早速、手にとって見る。 C管のピッコロ、と云うので、全長31.5センチ、内径が12ミリ。 普通の横笛だと、唄口から左に、かなりの長さが有るのだが、これは、いわゆるヘッドコルクに相当する部分が全くないので、 見た目のバランスは、なんとなく落ち着かない。
もう一つ変わっているのは、唄口部分の厚み、と云うのが全くなくて、指穴と同じ感じで、 穴の周りが少し盛り上がっているだけである。 これで果たして音が出るのか、と思いながら、吹いてみると案の定、全く音が出ない。 色々試して見て、普通の角度で息を吹き込むと全く駄目、と云う事が分かった。 普通、横笛の類を吹く場合は、唄口の手前を、下唇で少し被って、反対側の角に息をぶつける、と云う風にするのだが、 この場合は、ほぼ水平に、つまり、ほぼ唄口の上を素通りする様な感じで吹かないと、音に成らない。
要領が分かると、指はティンホイッスルとほぼ同じなので、なんとか成る。 但し、馴れれば大丈夫なのかも知れないが、音の出るポイントは、かなり小さい様だ。 G管の方も、試奏してみたが、こちらの方はさらに発音が難しい様である。 いずれも、透明なガラスに、綺麗な装飾が施されているが、見た目の綺麗さだけで言えば、ピッコロ(C)の方は、 少し小さすぎる感じで、G管の方が、インテリアとしては、映える様だ。
定価8400円は、ちと痛い感じもしたが、せっかくなので、話のタネにもなるし、と云う事もあって、C管を一本購入した。
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- 2002/04/27(土) 20:00:00|
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