笛のおっちゃんのブログ

落書き帳に近い面もありますが、半世紀以上にわたり一応我家のメシのタネになってきた様々な笛の話、下手っぴなデジカメ写真などなどをランダムにアップしています。

自慢の一品

随分長い間戸棚に眠っていた楽器が有った。
 40年近く前になるが、リコーダーにかなり力を入れて取り組んでいた時期に入手した、Hans Coolsma と云うアルトリコーダーで、いわゆるビンテージものではないが、一応名器と云ってもいいのではないかと思われるオランダ製の楽器だ。
 日本では普通コルスマと云う風に云い慣らしているが、もしかするとコールスマと云うのかも知れない。 オランダ語は囓った事もなく、全く分からない。

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 材料は本体がグレナディラ、歌口や接合部分の白く見えるのは、なんと象牙で、現在ではワシントン条約とやらで輸入も出来ないはずで、そんな意味でも貴重品と云えるのだろう。

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 で、どうして長い間眠らせていたかと云うと、結構気に入って使ってはいたのだが、低音で唸りのような音が出る、高音でチイチイ云うようなノイズが出やすい、みたいなクセがあった。なんとか成らないかと自分で削ってみたのが間違いで、当然のごとく、余計に状態が悪く成ってしまった。
 当時、日本で優秀なメーカーや修理が出来る人を知らなかったもので、いっその事コルスマの本社に送ってリボイシングを依頼してもいいのか、なども考えてはみたのだが、結局、そのまま放置状態に成っていたのだった。
 で、最近に成って、ある人から良い仕事をしてくれるところを教えてもらい、このまま放置しておいても仕方がないから、と思い切ってリボイシングをしてもらった。
 やく2ヶ月掛かって、やっと修理から上がってきた。
 吹いてみると、確かに改善はされているのだが、なんだかイマイチかな、と云う印象があって、若干失望していた。 と云うより、あまり落ち着いて吹く時間が無かったのだが、あらためてゆっくり吹き込んでみたら、そう云う事ではないと云う事が分かった。
 要するに、その間他の楽器を吹いていたために妙なクセが付いてしまっていたのと、楽器を充分暖めて、落ち着いて吹き込んでみたら、以前の状態よりもかなり良く成っているようだった。
 以前の状態は、前に書いた通りだが、もう何十年も前なので、あまり正確ではない。
 調整のほうは素人なので一概には云えないが、若干ウインドウエイが狭すぎたのではなかったのか、或いは微妙に角度に問題があったのか、と云うような印象が有った。
 今回修理から上がってきた状態を見ると、見た目にも吹いた感じでも、少し広くなったように思う。 もっとも、ブロックを取り替えたわけではないので、狭くなる、と云う事は有り得ないのではあるが。
 もう少し吹き込んでみないと分からないが、やはり名器だけの事はある、それに、調整の技術も中々のものだった、と云うことか。

歌口部分。 外側は象牙、黒い部分は本体の管の延長、その内側の茶色っぽい部分が「ブロック」、ドイツ語で Blockflöte と云われるのは、これに由来している。

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歌口部分の反対側、こちらが表になる。 右側から入ってきた息が、このエッジに当たって管の内と外に別れて、その際に渦を生じてそれが音になる。 云わばリコーダーの心臓部分。

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オクターブホール、と云うのか、この裏側の孔を親指で押さえるのだが、これを半開、と云うか、ごくわずか隙間を空けて、オクターブ上の音を出す。 そのサミングの際に爪を立てるので、こうして象牙やプラスチックで補強してないとすぐにすり減ってくる。

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足部管の接合部分。 下の2音はクロスフィンガリングが使えないので、こうしてダブルホールで半音を出すように成っている。 非常に精密に削られているのが、これでも分かる。

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081213-coolsma-07.jpg管に刻印された、Hans Coolsma のロゴマーク。

間に彫られているのがクローバーの葉の形だと云う事を、こうして写真を撮るまでは気が付かなかった。

081213-coolsma-08.jpgコルクグリース、もちろん接合部分のコルクに使用するものだ。

40年近く経っているが、別に異常は見られないので、このまま使えるようである。
肝心のコルクの方が、若干疲労しているように見えたが。

081213-coolsma-09.jpgケースの内側に貼られたコルスマのロゴ。
ユトレヒトの文字が見える。

081213-coolsma-10.jpgケースの内側に貼られたダイモのテープ、「9. SEPT. '71」とある、購入した日付だろう。
37年数ヶ月前、と云う事になる。

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ケースの外観。
随分立派なケースで、これだと大抵のショックには大丈夫だろう。 もっとも、リコーダー一筋の人には良いのだろうが、わたしのように、やたらと色んな楽器を持ち歩く者には、ちょっとかさばってしまう。
と云いながらも、折角のケースがあるのに別のソフトケースに入れるのもナニなので、このまま使っている。

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ケースのハンドルのところに貼った、これもダイモ。
当時、都内の電話番号がまだ3桁だったのを見ても、時代を感じさせる。

 ケースの金属部分に若干サビが出ていたり、留め金が、スムーズに動かなく成っていたが、後者はCRC5-56を噴射してやったら、具合良くなった。

 スタジオではアルトリコーダーの出番はそれほど多くはないが、また、ぼちぼち使ってみようと思っている。

カメラは IXY DIGITAL 10 を使用

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テーマ:楽器の話 - ジャンル:音楽

  1. 2008/12/13(土) 20:00:00|
  2. リコーダー
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