笛のおっちゃんのブログ

落書き帳に近い面もありますが、半世紀以上にわたり一応我家のメシのタネになってきた様々な笛の話、下手っぴなデジカメ写真などなどをランダムにアップしています。

カーボンファイバーのフルート

 午後に仕事があって、夜の某所での忘年会まで、随分空き時間が出来てしまった。 秋葉原をぶらついたりして暇つぶしに努めたが、それでもまだ暇があったので銀座の山野楽器に立ち寄った。

 CD売り場を見て回ったあと、5階だかの管楽器売り場に行き、フルートの中古と云うか、ビンテージ物を見ていたら、 店員に話し掛けられた。  どんな楽器をお使いですか、と云うので、ヘインズの8600番、と行ったら、ちょっと態度が変わって、 しばらくなんやかやと話し込んでしまった。

 で、珍しい楽器をお見せします、と云って出してきたのが、なんとカーボンファイバー製のフルートである。  それも、楽器作りとは無縁な国と思われがちな感じのフィンランド製との事。  そう云えば以前どこかで読むか話に聞いた様な気もするが、実際に手に取って見るのは初めてである。

 この楽器、材料がカーボンである、と云う以外にも、実にユニークな点がいくつかある。  まず、孔を塞ぐカップに、タンポが無くて、固いプラスティック(多分)である。  その代わりに、トーンホールのエッジが、柔らかい材質に成っている(軟質プラスティック?)。 発想の転換だろう。

  リングキー、と云うか、いわゆる穴明きなのだが、ただ単純にプラスティックのカップに孔を開けてあるだけの、簡単な構造である。  これもアイデアだが、左手の薬指のキーは、構造的にはストレートなのだが、穴の位置をずらしてあるので、 いわゆるオフセットの様な感じで、小さい手の人にも押さえ易い。  それと、これも左手だが、人差し指のキーが少し高くしてあって、これも大変有りがたい配慮だと思う。

 あと、Gisクローズなのだが、いわゆる裏Gisの孔が無い。  どう成っているかと云うと、表Gis(?)のカップが、梃子の仕掛けで、キーを押したときに開く様に成っている。  これも発想の転換なのだが、この仕組みは、昔の楽器にも有ったのかも知れない、何処かで見た様な気がする。

 もう一つユニークなのは、バネと云うものが一切ない。 なんと、磁石の反発力を利用しているとの事。  磁力は半永久だから、バネのトラブルや交換の手間が、一切無い、と云う事になる。
 肝心の音だが、ちょっと薄っぺらな感じがするが、上から下まで、平均していて、ムラは無い。  吹きこんで、どう変化するのかは、興味深いところである。

 それと、材料の関係で、非常に軽い。 持つのは楽なのだが、この軽さが音色にどう影響するのかは、 しばらく使い込まないと分からないだろう。 色はカーボンの地色なのかどうか、分からないが、濃いグレー、と云うか一見した感じでは黒く見える。

 値段を聞いたのだが、忘れてしまった。 百何十万だったか、かなり高かったと思う。  もし普及して大量生産される様に成れば、かなりのコストダウンは可能かも知れない。  もし大幅にコストダウン出来るのであれば、さらに構造を単純化するなどして、初心者用の楽器としても、使えるかもしれない。 

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  1. 2002/12/27(金) 20:00:00|
  2. 珍しい楽器
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明笛

 明後日の大島さんの仕事で、中国的な笛が欲しい、と云う風に聞いていたので、ちょっと楽器をいじくりまわしてみた。  中国の笛、中国的な笛、と云う注文は、時々有るのだが、大体は篠笛を持っていって、奏法をそれらしくする、 と云う事でお茶を濁してきた。

 丁度一年くらい前だろうか、同じ大島さんのアレンジで、中国の古筝の奏者、ウーファンさんのアルバムのお手伝いをした時も、 そんな感じで切り抜けた筈だ。
 今回も、具体的な内容は聞いていないので、そんな感じで行こうと思っていたのだが、 ふと思いついて、明笛風の、共鳴膜の有る笛を用意してみようか、と云う事になった。

 この手の笛は、以前に六本木の「大中」と云う中国物産店で買った、明笛風の笛が数本あって、それでも良いかなとも思ったのだが、 キーがG、A、などしかなくて、高音のものが無い。 新たに作る暇も無いので、手元にある楽器をなんとかしよう、 と云う事になった。

 この共鳴膜には、問題が有って、共鳴する状態に成ると、ピッチが4分音近く下がってしまうのだ。  現在、手元で使っている笛を、色々当たってみたのだが、どうも適当なのが見付からない。  そうこうする内に、思いついたのが、かなり以前に買った、木の合板製の篠笛だ。

 最近では竹の合板、合竹、と云う笛が、比較的廉価で出ているが、その頃は、木の合板も、結構珍しかったものだ。  早速引っ張り出して、メーターで測定すると、案の定かなりのハイピッチなのだ。  廉価版とは云え、綺麗に仕上がっている楽器に孔を開けるのは、ちょっともったいない気もしたが、 このままの状態では仕事では使えないので、思い切って、ここぞと思える辺りに、キリで孔を開けて、回転ヤスリで仕上げる。  共鳴膜を貼って吹いてみると、一応それらしい音がする。 ピッチも、かなり良い線なので、一応成功である。

 この共鳴膜、と云うのは、本来、「竹紙」と云うものを使う。  チクシと云うのは竹の内部にある、薄い膜なのだが、現在では入手も難しいし、大変微妙なものなので、 破れ易く、あまり実用的とは云えない。
 それで、思いついたのが、スーパー等で、牛乳や豆腐などを買った時に使う、薄い袋だ。 店によって、 厚さ(薄さ)がまちまちだが、比較的薄いものを使うと、ばっちり、共鳴してくれる。  これなら、いつでも手に入るし、安い、と云うか、ただみたいなものだから、安心して使える。 今回使ったのも、これである。

 この竹紙の貼り方が結構微妙で、あまりピンと貼ると、共鳴しないで普通の音に成ってしまうし、 あまりゆる過ぎると、笛自体の振動が止まって、全く音が出なく成ってしまう。  また、音域も、全音域でうまく共鳴させるのは無理みたいで、せいぜい下から1オクターブ半くらいだろうか。  孔の大きさや、位置で、多少は改善出来るかもしれないが、大体はこんなところではないかと思われる。

 肝心の音だが、これはどちらかと云えばシチリキに近い様な、ちょっと傍若無人な感じのする音だ。  明笛と云うのは、その名の通り、中国が明国と云われていた時代に流行っていたのかも知れない、 戦前は日本でも結構ポピュラーだった様だ。 これで、中国的なメロディーを吹くと、中々のモノがある。  用途は限られるが、一通りのキーを用意しておくのも、悪くないだろう。 

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  1. 2002/12/16(月) 20:00:00|
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