笛のおっちゃんのブログ

落書き帳に近い面もありますが、半世紀にわたり一応我家のメシのタネになっている様々な笛の話、下手っぴなデジカメ写真などなどをランダムにアップしています。

ミクソリディアの篠笛

 5日から10日まで、軽井沢に滞在した。 9日には大型台風が来たりと、あまり天気が良くなかったので、ベランダに道具を広げて、笛を作りに明け暮れていた。

030808-軽井沢-01
 これは関係無いが、赤とんぼ。

 なんとかアカネとか云うのだろう。

 正式名は分からないが、車の無線のアンテナの先が気に入った様で、ずっと止まっていた。


 今回作ったのは、C管とF#管のケーナ、F管の篠笛の計3本だったが、いくつかの試みが有った。
 F管の篠笛に関しては、リコーダー的に云うとソプラニーノに相当する、高音域のものだ。 同じ音域のものは既に有るのだが、今回は、左手の親指のところに、孔を開けて、7孔にしてみた。
 従来の6孔の笛だと、基本的に一つの音階しか吹けない、つまり、F管だったらFの音階しか出来ないのだが、これによって、もう一つ、B♭の音階も吹ける様になる。
 これは、どう云う事かと言うと、6孔の笛では、移動ド的に考えて、ドからドの2オクターブの音域に成るのだが、これだと、メロディーによっては、どうしてもカバー出来ないケースが出てくる。 それを7孔にする事によって、ソからソまでの2オクターブが可能に成る、教会旋法で云えばミクソリディアである。

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 この薄汚い物体が笛に成るとはとても思えないかも知れないが、これが採集してきた時のままの素材である。

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 一応完成した篠笛、左よりの孔に白く見えるのは、一旦エポキシで埋めて、位置を修正した跡だ。

 で、それに関しては、一応成功したのだが、いざ吹いてみると、どう云う訳か、その7孔目の音、この場合はE♭に成るのだが、オクターブ上では、半音上のEナチュラルの音に成ってしまう。 これが、笛の不思議なところなのだが、これでは使えないので、試しにその孔を一旦埋めて、直系約8ミリだった孔を、6ミリにしてみた。 孔が小さく成ると、オクターブが狭くなる、と云う、笛の性質を考えての事だが、これはまずまず、うまく行った。 当然ながら下の方は若干低めに成るが、上の方では丁度ぴったりに成る。 下の方は、比較的コントロールしやすいので、これで大丈夫だろう。

 将来は全てをこの左手の親指を使う、7孔にしても良いとも思うのだが、構え方がちょっと不自然に成ってしまう、と云う難点があるので、ちょっと決めかねるところだ。

 今回、ケーナの方は、C管と、なんとF#管のものが出来た。

まず、沢山保存してある竹の中から、太さ、長さの丁度良さそうなのを選んで、取りあえず歌口を作ってみる。 試しに吹いてみると、約Fの音に成った。 このままFにするか、或いはGにするか、等、考えた結果、FもGも既に有るので、F#にする事にした。 スタジオでは、歌い手さんの音域(声域)の関係で、こう云うキーが結構多いので、重宝する事もある。

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ケーナの歌口だけ、作ったところ。 手前がF#管に、向う側の竹はC管に成った。

 この素材の竹は、昔、和歌山に行った時に、太地(たいじ)と云うところで採集したもので、固くてしっかりとしていて、ほとんど曲がりもなくてストレートなので、優秀な素材と云える。
 全く同じ寸法に作っても、材料によっては、オクターブ関係が、えらく狂ってしまう事があるが、これに関しては、ほぼ完璧である。 ただ、勘が狂ったのか、ほとんどの孔が一発で決まらなくて、修正を繰り返すハメになってしまい、充填剤を随分と使ってしまった。 中には再修正したのも2、3箇所くらいあった。
 もう一本、つまりC管の方は、比較的馴れている事もあって、ほとんど修正無しで出来た。

先ず最初は錐で孔を開ける。 ネズミ錐、と云う先が三叉状に成った錐だ。

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 それをナイフや棒ヤスリ、電動ヤスリ等を使って、ピッチを調整しながら整形していく。

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 ケーナに関しては、今まで作っていたのは、リコーダースタイルで、8孔のものだ。 つまり、右手の小指を押さえてCに成る、と云う訳で、バロック式のリコーダーに近い運指になる。 このシステムは、うまく出来ると、一本でクロマチックのほとんどの音がカバー出来るので、大変便利なのだが、バランスの調整が大変難しい。昔はエポキシが無かったので、一本作るのにどれだけの竹を無駄にしたのか分からない。
 そんな事で、今回作ったケーナは、ドレミ調の篠笛と同じ、と云うか、ティンホイッスルや、インドのバンスリなんかとも同じ、云わば民族系笛の標準型、と云う6孔のスタイルにした。
 これだと、後で、裏側に左手の親指の孔を開ければ、南米のケーナとほぼ同じスタイルに成る。
 インディオ達の吹いているのを見ると、大体は6孔の内、上の二つを左手の人差し指と中指、それ以降を右手の人差し指、中指、薬指で押さえる、と云う、我々から見ると随分変則的な持ち方で、一番下の孔は、あまり使わない様だ。 つまり、最低音が移動ドで「レ」に成るので、ドリア調みたいな感じに成る。
 我々の場合は、この左2本、右3本のスタイルは、かなり抵抗感があるので、左右3本づつに構える事に成るだろう。

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 C管のケーナが一応完成したところ。
 左上に半分見えているのは、調律に使うチューナー、笛の上にあるのは孔を整形する時に使う細身のナイフ、下は歌口や指孔と開ける為に使うネズミ錐。

カメラは Epson CP-800 を使用

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テーマ:日記 - ジャンル:音楽

  1. 2003/08/08(金) 20:00:00|
  2. 笛作り
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