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笛のおっちゃんのブログ

落書き帳に近い面もありますが、半世紀以上にわたり一応我家のメシのタネになってきた様々な笛の話、下手っぴなデジカメ写真などなどをランダムにアップしています。

クラヴィコード

先日、目白のギタルラ社と云う古楽器店を訪れた時、いつもはリコーダーやホイッスルを目当てに行くのだが、たまたま目に入ったのが、これだ。

写真の上にすこし見えているのは、チェンバロ、と云うかスピネットだが、これは明らかに違う。
思わず、店の人に「ひょっとして、これってクラヴィコードっすか?」と聞いたら、そうだとの事。
 クラヴィコードと云う楽器の存在を知ったのは、おそらく50年も前だし、FM放送だったか、その音色を聞いてからも随分と経つが、実物にお目に掛かったのは初めてのような気がする。

クラビコード-1

 鍵盤を押すと、横に並んでいるドライバーの先みたいな金属片(タンジェントと云うらしい)が上がって弦を叩くように成っている。
 写真で見てタンジェントの左側はフェルトでミュートされているのが分かるが、振動するのはその右側の部分だけだ。

クラビコード-2

 そのタンジェントが弦に触れている間、弦が振動して、離れると音は止まる。
 ピアノやチェンバロと違うのは、鍵盤とタンジェントが直結している点だ。 つまり鍵盤を押している間、指の力が弦に掛かっているから、なんと鍵盤楽器なのにビブラートが掛けられる。 メロディーの声部だけビブラートを掛ける、と云うようなワザが使えるわけだ。
 弱点は、と云えば、構造上音が非常に小さい点で、普通のホールでの演奏は無理だろうし、他の楽器との合奏も難しい。 逆に言えば人に迷惑を掛けることなく練習出来たり楽しんだりできる。 

クラビコード-3

 これはチューニングピンの部分のアップ。 音名が書いてある紙は便宜上付けてあるのだろう。
 このクラビコードがオルガンの練習に使われていたと云うのは不思議な気がするが、鍵盤を押している間、音が鳴っていると云う共通点を考えるとうなずける。 昔は電動の鞴(ふいご)などは無く、人力で送風していたことを考えると、オルガンを演奏するのは、そう簡単なことではなかったらしい。

クラビコード-4

 以前、スタジオでも時々使われていたクラビネットと云う電気楽器が有ったが、これはこのクラヴィコードのような発音装置を電気的に増幅したものだった。 もっとも、こちらは本家のクラヴィコードの繊細さとは似ても似つかない、騒々しい楽器だったが。
 クラヴィネットもシンセの登場と伴に、スタジオからは姿を消してしまった。

ところでこの楽器、なんとこの会社の製品、つまり国産品と云う事だ。

カメラは IXY DIGITAL 10 を使用

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テーマ:楽器の話 - ジャンル:音楽

  1. 2010/05/23(日) 12:22:03|
  2. 楽器
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

いいものを見せていただきました。
しかし鍵盤を発明した人は天才ですね。
鍵盤楽器ってリードやパイプ系以外は、結局は琴やハープを横にしたようなものですし、それを鍵盤の分かりやすい規則性で、ある意味ハープよりも簡単に誰でも和音とメロディを楽しめるようになった。という気がします。もちろん実際は鍵盤には鍵盤の難しさがあるわけですが、少なくともハープで「猫ふんじゃった」よりは鍵盤の方が楽なわけです(笑)。
  1. 2010/05/24(月) 15:14:08 |
  2. URL |
  3. 萩原 #EBUSheBA
  4. [ 編集]

ハープ→ツィンバロン→鍵盤楽器

萩原さん

コメント、ありがとうございます!
確かに鍵盤楽器の発明というのは音楽史上にも大きな意味があったと思います、
やはり複数の音を同時に出す事でハーモニーを志向するヨーロッパの音楽ならではの必要に駆られてのことだったのでしょう。
どちらかと云えばアルペジオがメインでメロディーにはあまり適さないハープから、メロディーも和音も自在に弾ける鍵盤楽器に至る中間に有るのが、弦をハンマーで直接叩く、ツィンバロン、ダルシマ、中国の洋琴(ヤンツィン)などの打弦楽器なのでしょうね。
ツィンバロンの類は、運動性の面ではかなり自由になっても、出せる音はせいぜい二声ですから、それにも飽きたらず、ついに鍵盤を作ってしまったのでしょう。
そんな鍵盤楽器の中でも、このクラヴィコードは、非常に微妙、繊細な表現が出来るのですが、如何せん音量が極端に小さい、と云う特殊な楽器で、普通は博物館にでも行かないと中々お目にかかれないと思っていたのですが、これが国内で作られていた、と云うので驚いたと云う次第です。
  1. 2010/05/24(月) 22:04:14 |
  2. URL |
  3. おっちゃん #/qJiaeFs
  4. [ 編集]

懐かしい!

おっちゃん、こんばんは。

学生の時に、選択科目で弾いていました。打鍵時の発音の仕方で音が変わるのは、パイプオルガンと同じで、先生から音色(音量)についてコメントを受けたことをはっきり覚えています。
  1. 2010/05/25(火) 23:53:40 |
  2. URL |
  3. ルネ #s/Pbj/2o
  4. [ 編集]

クラヴィコード

ルネさん

コメント、ありがとう!
そうか、学校にクラヴィコードが有ったとは驚きです。
昔、と云うか、子供の頃だったと思うのですが、ヘンデルの伝記に、親に隠れてこっそりとクラヴィコードを練習していた、と云うエピソードが有ったのを、なんとなく覚えています。
それほど音量の小さい、デリケートな楽器と云えるのでしょうね。
  1. 2010/05/26(水) 21:20:19 |
  2. URL |
  3. おっちゃん #/qJiaeFs
  4. [ 編集]

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